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[SS-RO] BSとアサ

BS(♂)←←←アサ(♂) って感じなんですが、掛け算はこー…むにゃ。

ろもえろのキリ番用に書いたもの。
テーマはがんばるうさぎです。




ジブシーねーさんは、腐女子ではないんですが、
フラグマニアでスチールコンプに命をかけてます!(ぇ

どんなはなしだよ。


■つきよりうさぎ



「うーさぎうさぎ♪ なにみてはねる~♪
 金髪どたまを見てはーぁあねぇーr……」
「……おい」

久方ぶりに訪れたギルドの溜まり場に足を向けた瞬間。
決して高い声ではないが、そのぶんとても耳に残るとても聞きなれた歌声に……思わず、顔が強張った。
意図したわけではないが、つい……制止の声をかけてしまった自分を、声の主である銀髪のジプシーの女性が、めんどくさそうにゆっくりと俺の方を振り返った。

……半眼になった目がすわっているように見えるのは……気のせいじゃないだろうな……。

「うっさいわね涸れたネギ坊主。
 人が気持ちよく歌ってるとこ邪魔すんじゃないわよ」
「Σ 誰がネギだっ!? しかも字が違うだろ!!」
「はーん、ふーん、ほーう。私に対してに口ごたえするとは随分いいご身分になったじゃないの。
 いっつも汚いボサボサ頭で来てくれちゃって、ネギ坊主そのものでしょ。
 生意気に金色だから『かれてる』ってわざわざ修飾語をつけてあげてる私の優しさを汲み取ってほしいわね。
 埃まみれて帰って来たってことは、最近アッチの方はご無沙汰なんでしょ?――さんずいで合ってるじゃないの」

太ももむっちり、胸も豊満、くびれも脚線美も申し分ナシ……の迫力美人のはずなのだが、どうもニヤリと口の端を上げて笑う姿に色気より先に寒気を覚えてならない。

「相変わらず情緒ってもんがないな、ウチのギルマス様には」
「はん、私のあふれ出るダイナマイトな魅力を理解できないようじゃ、あなたも毛の生えそこなったお子様ね。
 あいにく、出たきり腐れ戦闘BSの戯言なんてものを聞く耳をもちあわせてないの……それに、そろそろ可愛いうさぎが跳ねてくる頃よ」

健気なことね――と。
意味ありげな含み笑いで彼女が言い切った瞬間、トトトトトンっ……と、軽やかな足音が聞こえてきた。
体重移動に慣れたその足運びは、熟練の冒険者のそれを感じさせるが、よっぽど急いでいるのか音を完全に消すまではいたっていない。
これだけで、音の主が誰なのか分かってしまうのは……決して自分だけではないはずだ。

「マスター! レニィが帰ってきてるってほんとっ!?」

息を切らして溜まり場にとびこんできたのは、青い目のうさぎ……ではなく、ほよんと揺れるウサミミがとてつもなく似合っている藍色の色の髪のアサシンだった。
ジプシーの隣に腰をおろしている旅装束のままのブラックスミス――つまり俺のことだが――に気がついて。
一瞬こくんと息をのんで、そのまま本当にぴょんと跳ね上がった。

「レニィ、おかえりっ!!」
「おう……ただいまファル」

両腕を広げて待ち構えて。
真っ直ぐに飛び込んで来るうさ耳のアサシンを抱きとめようとして。

「――ぐぁっ!?」

……想像以上の重力に、思わずくぐもった声を上げてしまう。
おいまてファル。体重増えるにもほどがあるだろ?
お前一体何食ってきたーー!?

「あ、そっか……ごめん、レニィが帰ってきたら渡そうと思って持ってきたんだ。……これで足りるかなぁ……」

見た目はとってもスレンダーなアサシンの懐からごそごそと取り出されたのは。



鋼鉄。鋼鉄。鋼鉄。鋼鉄。鋼鉄。鋼鉄。石炭。鋼鉄。鋼鉄。鋼鉄。石炭。石炭。…(ry



ガラガラと音を立てながら積みあがってゆく鉱石の山を、ぽかんと口を開けて間抜け面で見守っていると。
俺の表情に気がついたアサシンが、ほんの少し拗ねたように唇をとがらせて。

「レニィ忘れちゃったの? 今度帰って来たらレニィの名前が入った武器を作ってくれるっていう約束だったじゃないか……オレ、ちゃんと言われた通り鋼鉄集めたよ……?」
「あーーーーー……」

どういう構造になっているのか、頭の上のうさ耳まで一緒にたれているアサシンをみて、思わずぼりぼりと頭を掻く。
忘れてはいない。
確かに自分はそう言った――がしかし。


……俺は根っからの戦闘型だってのに。


製造とはとことん相容れない性分なのだ。
支援してくれそうな色っぽいプリのねーちゃんのアテはあったが、気まぐれでも作りたいとは思わない。
適当にごまかすつもりで『ナイフには鋼鉄が必要だ』なんて言ってみたのだが……いくらなんでも普通本気にするか? オイ。

気まずさから思わず視線をそらして。
いい加減本当のことを言わなきゃなぁ……と思いながら、口から出たのは全く別の言葉だった。

「……実はオリも必要なんだよな」

苦し紛れの俺の言葉を真正面から受け止めて。

「そっか………うん、分かった! オレもう狩りに一回行って来るから、レニィ、ちゃんとまってて!」

すぐもどるから……と念を押すのを忘れずに。
来た時同様脱兎の勢いで出て行った純真うさぎの後姿を、俺はぼんやりとみつめていた。


――ふーーーん? たかだかナイフ1本にオリ塊が必要なんてはじめて聞いたけど~?
――うるさいな。


さすがにオープンではまずいという理性が働いたのか。
Wisで囁かれた的確な迫力美人のつっこみに、思わず顔をしかめてしまう。

「ほんっとーにナイモノねだりがお上手な、むさ苦しい『かぐやひめ』ねぇ」
「なんだその、かくやなんちゃらってのは」
「粗野な方に語る言葉はあいにくと持ち合わせておりませんの」
「………」

いい加減諦めたら?……と訳知り顔でふふんと笑う相手を、じろりと睨みつける。
やけにファル――ファセルーダを気に入っているこの銀髪ジプシーは、俺の態度を煮え切らないものと解釈したらしい。

「お前、今日はやけに絡むな。……あのなぁ、いっとくが、俺はお子様に手を出すほど不自由してないし、そこまで飢えてもいないんだよ。だいたい、女ならともかくアイツ男だろうが」
「そう? あの子、ヘタな女の子よりよっぽど可愛いとおもうけど?」
「まー…そりゃな……」
「そして、ここでパラメーターを上げておかないとフラグがたたなくなってスチールイベントを見逃すハメになるでしょ!」
「……なんだそりゃ」
「……こっちの話よ。だいたい、よくいえたものよね。あなたってば、男女構わず1000人斬の金字塔を打ち立てやがったうちの

ギルド一だらしない下半身の持ち主じゃないの」
「――桁が多いぞ」
「へぇ~~~~~~v 三桁は認めるんだ? やっぱりねぇ~~~~」
「…………てめ、嵌めやがったな」
「失礼ね。八つ当たりはやめてちょうだい」

ぎゃんぎゃんとわめいていた彼女が、すっと怒りを静めて俺をみつめる。

「正直、貴方みたいないい加減で刃傷沙汰が絶えないようなケツの拭ききれない男のドコがいいのかさっぱり分からないし、ナノ単位で知りたくもないけど……あんだけ慕われてて何が不満だってのよ。
 鉄の貞操帯装備した処女じゃあるまいし、いつまで頑なに足を閉ざしてるつもりなのよ」

「―っ! だから!
 俺みたいな男がまっさらなアイツを汚すワケにはいかねーだろうが! ……っていうか、さりげなくアナタさまひどいことを言ってないですかっ」

そういうのを人権侵害って言うと思うんだが――という俺の呟きは。

「やーね、ネギに人権があると思っているの?」

冷ややかな視線とともに、いっそ見事なほどに踏みつけられた。
いい加減そのネタから離れろよ。

「まったく、世話が焼けるわね。
 狡い汚れた付き合いしかしてなかったから、真っ直ぐすぎる感情に弱いっていうのは分からなくはないけど……」

やれやれとでも言いたげに、ギルドマスターであるジプシーはすっと肩を竦めた。

「うさぎは寂しくても死んでしまうのよ?」
「わかってるっての」

藍色の髪のアサシンが、去り際に一瞬だけ見せた。
縋るような瞳に気がついてないとは言わせない――と。
座していた腰をあげた俺を、射抜くような鋭い視線が貫いた。

「『また』、逃げるの?」
「…………勝手に言ってろ」




鈍い足取りで場を離れた俺を、それ以上追う声はなかった。















「……馬鹿ね」


遠ざかってゆくブラックスミスの背を見つめながら、わたしはふっと小さな息を漏らした。
アサシンがウサギのようだというのであれば、あのブラックスミスは自分を知らないネコそのもの。
いつも高いところを探して、自分の優位を保とうと必死になっている。

軽く目を伏せたところに、声にならない声が脳裏に響いた。


――マスター、レニィいますか?
――んー、出かけちゃったわ。
――……そうですか……。

沈黙で途切れる彼の声には、何故か残念そうな響きは含まれていない。
くすりと喉の奥で笑って、私はもう一度アサシンに向かって言葉を紡ぐ。

――すぐに戻ってくるんじゃないかしら? ……サイフを忘れて、ね。
――………やっぱり、分かってましたか。

悪戯のばれた子どものような声が、脳裏に満ちる。

……何が『俺みたいな男』なんだか。

すっかり自分が狙われる側だってことに、全く気がついていないのだから。
本当に真性の馬鹿としかいいようがないではないか。



――うさぎは……雑食なのよね。
――え、何ですか。
――いいえ、なんでもないわ。帰ってきたら今度は縛っておくから。
――お願いします。






終わり


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