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[SS-RO] 騎士×アサ(♂×♂)

へたれ騎士×敬語アサ
♂×♂です。

int1でもインテリなアサっていいと思う。
本に埋もれてるといい。
むろん眼鏡装備なんだ。



[ 存在証明 ]




相手が自分にベタ惚れなのは分かっていたし。
それ以上に、俺がアイツに骨抜き状態なのは周知の事実だったもので。
今更何をな話ではあったけれど、ふと思いついてしまった疑問を相手にぶつけるべく、俺相方であり身内公認の恋人の襟元を狙って手を伸ばした。
「なんです?」

気配を察したのか、荷の中の回復剤を確認していた手を止めて声だけを俺に返して寄こす。
抵抗しないのをいいことに、ぐいっとつかんで引き寄せると、そのまますとんと腕の中に落ちてきた。

「……苦しいんですけど……」

俺の唐突な行動には慣れきっているのか、せめて喉から手を離せというため息まじりの要求に従って。
両腕を腰に回して、同じ男とは思えないほど細身の身体を軽く抱きしめた。

自分はセイジツで職務にチュウウジツな騎士だからして、それなりに鍛えられた身体をしているのは当たり前だと思う。
だが、確かにしなやかな弾力はあるものの、まるで体重というものを感じさせない腕の中の相手が、同じ戦闘職とは到底信じがたい。

……面と向かって言えば恐ろしいことになるので、決して口に出すような迂闊な真似はしないけれど。

「な、お前俺のドコが一番好き?」

相手のやわらかな紅茶色の髪に顔をうずめるように。
唇を寄せて低く囁くと……愛しの相手――暗色の衣を纏ったアサシンさまは、軽く握った拳を顎の下に添え、すっと眉を寄せてしばし考え込んでしまった。

おーい、そんなに悩むようなことなんですかー?
黙ってしまったアサシンの後頭部を眺めながら、もっと体温を感じたくなって一層腕に力をこめると。
ちょっとだけ俺のほうを振り向きながら、アサシンがこくりと首をかしげて口を開いた。

「――名前、でしょうかね?」
「ソコカヨ!」

オイオイ、よりにもよって固有名詞、しかも何で答えが疑問系なんだよ。

「あとは……服の色とか?」
「全国各地の騎士の職衣は全部一緒ダトオモイマスガ」

面白くない……という俺の思いがそのまま表情に出てしまったのだろう。
つむじを曲げかけた俺の機嫌の雲行き具合を察したのか。
「……冗談ですよ」……と、くすくすと笑いながら見上げてくるアサシンの楽しげな表情に、更にむっとしてしまう。
我ながら子どもっぽいとは思うけどな、一応本気できいてんだぞ、こっちは。
憮然とした俺の視線を受け止めて、彼は更に笑みを深くして。
ゆっくりと、口を開いた。

「指、ですかね」
「ゆびぃ~?」
「今度はほんとですよ」

多分に焦らし傾向にあるアサシンは、つと手を伸ばし、腰に回していた俺の手を、まるで宝物に触れるかのようにそっと包み込み。
自分の目線の高さまで持ち上げて、俺目を見つめながら、ふっと笑って己の唇を寄せた。

――指先が――やわらかい熱に包まれる。


「この指が私に触れるたびに……頭の奥がじんと甘く痺れて、眩暈がするって――知ってました?」


笑いを含んだ艶やかな猫目石の瞳。
澄んだその瞳の奥に潜む甘い毒。

その目で。
その声で。
お前の存在そのもので。

何度俺が殺されているか………わかってんのかよ。









end

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