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[SS-SW] バスタイム

佳主馬→→→←健二な未来の話。
えーと……ぱら(カンペをめくる)…大学生と高校生、のつもりだったはずです。
確か。

これはのっけていいんだろうかと悩みましたが、ギャグだからいいよね…。
あ、いちおう15Rで。

お風呂な話ですが全く色気などない。(きぱ)


追記
15Rじゃ国道15号線じゃないか。
R15でお願いします。

■バスタイム



「じゃあ健二さん。俺、先に上がるから」
「うん」
「ちゃんと肩までつかって。温まってから出てきてよ」

浴室の扉を開けて遠ざかってゆく褐色の背中を、引き締まった身体って本当に綺麗だよななぁ……なんて惚れ惚れしながら見送りつつ、

「……はい、分かってます」

と生返事で答えながら、言いつけ通りにちゃぽんと肩までお湯につかる。
佳主馬くんの方が年下なのに、まるで保護者みたいだな、なんて苦笑しながら。
それでも、ずっと変わらない相手のやさしさに、浮かんでくる笑みを止められない。



ちゃんと付き合うようになって、時間の空いた佳主馬くんが僕の家に遊びに来て、そのまま泊まって行くことも数え切れなくなっていた頃。

「あ、佳主馬くんがいるから……今日はちゃんとお風呂いれよう」
「え? どういうこと……?」

何気なく呟いた一言を、耳聡い彼は聞き逃してくれなかった。
いやだって、そこそこの大きさの湯船にお湯をはると、結構な水量とエネルギーを使うじゃないですか。
お湯にだっぷりとつかるのは好きだけれど、温かい内に入るのは一人だとなんだかもったいない気がして。普段はシャワーで済ませているといったら、数秒の沈黙の後に、ものすごい顔で睨まれた。
普段でも十分すぎるほど秀麗なのに、美形という類の人種が怒ると迫力だなー……なんて思っていたら、ぴっと鼻先に指をつきつけられて「早く、お湯、いれて」と命令形。
なんで急に不機嫌になったんだかと首を捻りながらも、言われるがままにお風呂の用意をすると、

「だから健二さんはそんなに白くなるんだよ」

どこかむっとした表情のままで言い切る佳主馬くん。

「いや僕の青白さは焼けにくいだけで、別に血行が悪いとかいう問題ではないんですけど……」

という僕の正論(ですよね)はものの見事に却下され、ほかほかと湯気の立つ湯船に有無を言わさず引きずって行かれた。


……懐かしい(?)思い出です、はい。


それから、お風呂に一緒に入ることが多くなった、と思う。
いくら気心が知れてるとはいえ、いい年の男が二人でお風呂とか、ちょっと……いやかなり絵的にどうだろう?……というところもあるのだけれど。

「心配させるようなことしてる健二さんが悪い」

と真剣な顔で言われると弱い。
かといって押し切られるままに流されるのも、どこか悔しいもので。

「ちょっと口実入ってない?」

探るように問いかけると、

「……ちょっとね」

悪戯を見破られた子どものように、悪びれなく笑い、でも心配してるのはホントだからと微笑む。
ずるいなぁ、そんな顔されたらそれ以上何も言えなくなる。



「ちゃんと肩までつかって。しっかり温まってよ」
「はい、せんせい」
「なにそれ」
「佳主馬くんは僕を心から暖めてくれることに関して天才的な先生だから」
「……それ、健二さんのほうでしょ」


お湯のせいかはたまた別の要因か。
やさしい瞳で笑う彼の頬が、ゆれる湯気の間で、かすかに朱に染まって見えて。
そんな姿を見れるのも、一番近くにいられる自分だけの特権なのだ思うと、くすぐったい気持ちになる。


「じゃ、先に上がるから」
「うん」

当たり前のようにくりかえされる約束。
あたたかな時間が増えたことを、嬉しく思った。









end





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おまけ


扉の向こうの脱衣所から、先に上がった相手の生息音がする。
なんとなく、一人じゃないって確認できるみたいで。
安心するなぁ……とか思うのって変なのかな…と思考を泳がせていたら。


「あ、パンツ忘れた」





つるっ!

がっ!!

ごんっ!!!





「――健二さん、どうしたの。のぼせた?」
「そ、そ……そんなこと宣言しなくていいからっ!」
「宣言じゃないよ、ひとり言」
「………」

曇りガラス越しに、しれっと言い残された佳主馬くんの一言に。
僕は思わず浴槽の縁につっぷした。

彼はよく自分に向かって「健二さんは俺を惑わすのがうますぎる」っていうけれど。
とんでもない。
佳主馬くんの方がよっぽど、天然で人を翻ろうさせてくれると思います。
ほんとに、ほんとに、心から。


「健二さん、パンツはいてこなくていいよ」
「そんなこと言わなくていいからっ!」









ほんとに終わり



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