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[SS-RO] プリースト×アサシン

♂×♂ でBL表現あります。
ひらたくいうとちゅーしてます。
苦手な方はおやめください。


これくらいなら許されるだろうか……と手探りなひとしな。
キス以外のところが問題だと言う気がしなくもない。

■誓い



「今日は開けてみるかぁ」

やわらかな午後の日差しの下で、もっともっと鮮やかにきらめく栗色の髪が視界の中で揺れている。
両の手のひらので、箱状のアイテムをくるくると弄びながら問いかけてくるアサシンに。
可愛らしいな、などと思いながら「いいんじゃないですか」…と答えを返す。

彼が手にしているのは、つい先ほど、狩りで出したばかりの青箱で。
別に性急にお金を使う予定もないし、欲しい装備品があるわけでもない。
軽く促すような私の肯定の言葉に、彼は大きめの瞳をくるりとまたたかせた。

「んじゃ、開けて」
「……はい?」
「いつも俺ばっかり開けてるじゃないか。たまにはやってみろって」

心底嬉しそうにふわりと笑いながら「ハイ」とアイテムを──青色の箱を差し出してくる。
他意がないと分かっていても、どうしたものか……と私は思案にくれる。

「あけるだけだって」

開けるだけ、確かに。
ただそれだけのことなのだけれど、この手のアイテムの開封には『それだけ』ではすまない厄介な性質が含まれている。

すなわち、出てくるモノの価値が『自分の運に左右される』ということ。

はっきりいって、私にはアイテム運がない。
それはもう、見事なほどに。

ゼロピーはもちろん。
緑ハーブに黄ポーション。
少しランクが上がって聖水やら。

幾度か試してみたことがあるけれど、鑑定できる品など出たためしがないのだ。
聖職についているからといって、神のご加護がつくものでもないらしい。
せっかく愛しい人が出したものなのに、自分が台無しにしてしまっては意味がない。

「いえ、これは貴方が出したのですから。私が手にして良いものではありません」

にっこりと微笑みながら。
ソツなく、やんわりと断りの言葉を口にした私の様子などどこ吹く風で。
栗色の髪のアサシンは、ぐいっと私の手の中に箱を押し込んだ。

「大丈夫だって」

……何をもって大丈夫だというのか。

やさしく囁く貴方の声に私が抗えるはずがないと、知っているくせに。
取り澄ました笑顔の仮面の下の、私の躊躇など分かっているだろうに。
覗き込むように、包み込んでくる貴方のあたたかな眼差しに……負けてしまう。

「知りませんよ?」

ふう…とため息をひとつ落すと。
私は、彼のぬくもりが残る箱に手を添えた。




ぱか。



………。
………。

…………………『花 1個獲得』。




「…まぁ、こんなものです」


やっぱり。
鑑定の必要もない。
手の中におさまる、ただの花。

「『なるようにしかならない』んですよ」……なんだか自分の生き様みたいだと、心の内側で小さく毒を付け足しながら。
すみません、使えないものをだしてしまって、と。
苦笑しながらゆるりと顔を上げると。

視線の先で、栗色の髪のアサシンが「んー」と何事かを考えながら首を傾げていた。

「……それ、ちょっと貸してみ?」

ひょいっと。
無造作に手を出してよこしたアサシンの手のひらに、私は所在なげに揺れていた1本の花をそっと乗せる。

「確かこうしてこーして」…と彼はぶつぶつ独りごちながら、手元で器用に指を交差させる。

花の茎でくるりと輪をつくり。
ねじるように絡み付け。
ほどけないようにと端を編みこむ。

「できた!」…と、真剣に手元を見ていた彼の視線がふいに私を捕らえた。
子どもの様な笑顔がぱぁっと花開く様に、思わず私は息を呑む。

「はい、手を出してー」

無邪気な彼の笑顔に、吸い込まれるように見とれていた私は。
何事かと思いながらも、彼の声音に誘われ素直に手を差し出す。

私の指に。
彼の手が添えてきたものは……出来たばかりの『花の指輪』で。


「こーゆのもアリだろ?」


にっと瞳を細めて。
悪戯っぽく笑いかけてくるアサシンに、私は呆然と見つめ返すことしかできなくて。

「世の中って、結構『なるようになる』んだって」

「言葉は正しくつかわないとな?」と。
はじけるように笑う、無防備な姿がまぶしくて。
身体の芯に、じわりと突き刺すような熱が灯りはじめる。

……否、この熱はとうの昔に。
貴方と初めて逢ったときから、私の心と体を翻弄するもの。

私はアサシンの手をきゅっと掴んで、引き寄せて。
彼のはめてくれた指輪と同じ位置に。
そっとふれるだけの口づけを落とす。

「うっ、うぁ?」

一瞬前までは余裕だったくせに。
ほんの少し触れるだけで、急に狼狽しはじめた彼の仕草が愛しくて。
私は、熱い吐息とともに、心のままの言葉を紡ぐ。


一片の迷いもなく、仮面をつけることも、飾る必要も無い。
貴方だけに伝わればいい、私の、全てを──。



「永久に、貴方とともに在ることを誓います」



一瞬たりとも、彼の表情を逃すまいと。
真っ直ぐに心ごと射抜くように見つめた私の視線の先で。

彼の顔が瞬く間に真っ赤に染まった。



「…ん…、俺も」

恥ずかしそうに。
ふいっと視線を背けながらガシガシと頭をかく仕草がほほえましくて。
思わず笑いをこぼしながら、私は両腕を伸ばし、ゆるりと彼の体を抱き寄せて。

互いの熱が解け合うまで。
深く、ふかく、口づけた。







おわり

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