ふと思い立って(P4A)

電車の中でふと思いついたネタを140文字でまとめようと、ツイッターに流していたらどうしようもない長さになってしまったという……ほんとにだらだらとすいません( ´・ω・)

見直しせずにまとめただけです。
なにやってんだと笑ってください。

あ、P4Aです。
ぺよんはそこはかとなく花主です。
でもあんまり関係ないです。




「何を聞いてるんだ?」

微かに首を傾げてのぞきこんできた相棒の視線の先にあるのは、俺愛用の赤いヘッドホン。
ヒットチャートから演歌、洋楽まで無節操に詰め込んだ中身を説明するのも面倒なので

「聞くか?」

とか、軽い気持ちでプレーヤーごと渡した自分の迂闊さを、数分後の俺は軽く呪うことになる。
シャッフル再生で聞いているので何がでてくるかは自分にもわからないと説明つきで渡す。

「ハイカラな一期一会だな」

感慨深げに呟いたあいつの言葉に何時代の人間だと突っ込むべきだったんだろうが、不意打ちの笑顔に思考が固まったのはここだけの秘密だ。
なんか弱いんだよ、相棒のあの顔には。
フリーズした俺から一式受け取った彼は、神妙な顔つきでヘッドホンを装着。

「……陽介、無音が聞こえる」
「再生ボタン押せよ!」
「そうか」

馬鹿言いつつ目を閉じて聞き入りはじめた相棒を、ほんときれいな顔してるよなとか、無駄にまつげ長いよなと観察していたわけなんだが。
なんかやけに真剣に聞いているなぁ、今なに再生されてんだろ……ああ、確かに相手が何聞いてんだろって知りたくなるな。とか、待ちぼうけの間に自己分析までしてしまい軽く苦笑した瞬間だった。
おもむろにカッと目を見開いた相棒が、シャドウを射殺す凶悪化した眼差しで俺を見据えた。
な、なんだっ!?

「陽介」
「は、はひ」

微妙に腰が引けてるのは勘弁してほしい。
つーか、こいつのマジは顔真剣に怖いんだって。

「胸貸して」
「はいぃ?」

思わず聞き返したのは人として当然の反応だよな?
俺様鳴上さまは、硬直している自分の俺の有様などおかまいなしに腕をとり、ぐいっと引き寄せた。
俺の声には承諾の意味はなかったのだが、返事などどーでも良かったらしい。
引っ張られてよろけた自分の体を当然のように受け止めた相手は、真顔のまま宣言通りに俺の胸を独占した。

「えっと、挟むほどたわわなムネはなくてよ」
「……」

動揺を押し隠した渾身のおネエギャグは見事にはずしたらしい。
沈黙が突き刺さります痛いです、勘弁して、これ何の虐めだよ。
鳴上は、俺の背中に両腕まわして、ことりと頭を胸につけている。
なんか気まぐれにすりよってくる、小動物じみた愛らしい仕草だなとか思いつつ、頭を撫でそうになってはっとする。
いやこれ、対外的には抱きついてるっていいますからね?
……自分的にはこ褒美のような気がしてきた辺り、なんか色々もうだめだ。
頼むから説明くらいしてくれよ相棒、少しは働け伝達力!

「あの~悠さんや、これなにかな?」

頑張った結果がこれですよ。
ほんとにガッカリ最小出力の伝達力だよこんちくしょう。

なんか一人で泡食って馬鹿みたいだが、この相手の前では普通とか常識とか言う言葉が裸足で駆けてくサザエさんになるのだから仕方がない。
そういえば、いつの間に外したのか、俺のヘッドフォンはきれいにプレーヤーと並べて机の上に置かれているのにようやく気がつく。
なんとか周囲を見る余裕らしきものがでてきたようだ。

ふぅと微かに息をついて、あらためて抱きつきお化けになってしまった相棒の頭を見下ろした。
表情こそ見えないものの、ぴっとりと耳を張り付けている姿は、ひどく真剣だ。まるで無心になにかを聞いてるような……ん? 聞いてる?
もしやと口を開きかけた瞬間、ふっと彼が顔を上げた。
真っ直ぐな瞳をもろに見てしまい、言おうとしたはずの言葉がテレビの彼方にすっとんでいった。
ぱかりと口を開けた俺を見て、鳴上は小さく頷いく。

「そうだ、聞いてた」

いや、俺何も言ってないですし。
そこだけどうして以心伝心なんだっての。

「あーもうちょっとさ、人に優しく俺にもやさしく。わかるように説明してほしいかなって」

控えめな俺の提案に、あいつは微かに首を傾げた。

「確かめたかった」

囁くように声を落としながら、ふわりと微笑む。

「すごいな、人間って。本当だ。陽介と俺の音は、ちゃんと二つでひとつだった」

人の心臓がひとつしかないのは、大切な人と一緒になってはじめて完成されるようにという願いがこめられているから。
抱きしめたときに互いに響く鼓動がわかるから……そんな歌詞の曲は確かにあった。
自分のだからわかってる。
っていうか、いや、ちょっと、それは。

「……卑怯だろ」

呻くように呟いたら、相棒さまの笑みが一層深くなった。

「ずっと陽介の心臓の音を聞いてた。きれいに俺の音とぴったり重なるから、嬉しくなったんだ」

とか臆面もなく続けられる言葉にどんどん顔が熱くなって行くのがわかる。

「あ、早くなった」
「言うなっ!」

恥ずかしいやら照れくさいやらで思わず叫んだら、またしてもマリンカリン無双な流し目で微笑みでくださりました。

「大丈夫、俺も早くなった」

やっぱり一緒だな、とかしみじみ呟くこの天然爆弾、誰か何とかしてください。






(おわり)








陽介っていっつも何聞いてるのかな 
と、番長が興味もったら面白いなというだけのネタだったというのに。
曲のイメージはRADWIMPSのオーダーメイドです。
まんまです、はい。

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