[SS-RO] ログアサっぽい(♂×♂)

「ローグアサシン」というどこかの映画のタイトルを聞いて。
その単語のみで妄想してしまったもの。
いきおいって怖い(笑)

いつ書いたのかわかりますねー。
■ローグアサシンの作り方。

声を声が打ち消してしまうような大通りの雑踏の中。
露店でにぎわう人いきれをくぐりぬけながら、隣で肩を並べ歩いている相手に向かって声をかける。

「まぁ、どうしたって互いに速度に頼ってるタイプなんだから、一発受けた時が痛いだろうな。常に回復の手段は考えておかないと……」

落とした言葉は、疑問というより確認に近い。
ローグとアサシンで固定ペアなんて、これほど回復というものに程遠い組み合わせもそうないだろう。
肉を切らせて骨を絶つという、マゾでなければ到底やっていられない。
回避職とはいっても接近戦を主とする前衛として生きる以上、被ダメに構わず殲滅するという、結局はごり押しの戦法だ。

「僕がヒールしてもいいんだけど、どうしたってSPが回らなくなるし……」

カタール型である相方のアサシンに比べれば精神力に余裕があるとはいえ、あくまでもソロでの場合だ。ローグである僕には、ペアでの回復担当できるほどの能力は無いと自覚している。
幸い、お互いに重量には余裕がある。
白P連打でもいいが、コストを考えるといっそ肉を限界まで持ち込んで狩るものいいだろうか。
――と、ここまで考えたところで。
ふと感じた違和感に顔を上げる。
いくらなんでも相槌すらないというのは、相方として職務怠慢すぎるのではないだろうか。
ひとこと文句でも言ってやろう……と視線を横にめぐらすと……。

「……またっ、アイツは……!」

返事がない時点で大方予想はついていたのだが、本当に隣に誰もいないことを確認すると、思わずがっくりとしてしまう。
さらに視線を投げると、自分の歩いてきた通りのずっとはるか後方に、見慣れた桜色の髪がほんわりとゆれて見えた。

「………何してんだよ」
「ん~? お買い物だよ~」

今度はいったい何に興味を惹かれたのか。
わざとゆっくりと背後から近づいて。
ぶしつけに肩越しに声をかけるも、露店商のブラックスミス相手に腰を落としてじっくり商談に入っている相方さまは、自分の方を振り返ろうともしない。

「それは、見れば、分かります」

闇色の職衣身を包む相手に向かってにかけた声音が、不機嫌色に滲んでいたとしても、誰も自分を責められないだろう。
だいたい、立ち止まるならば一言ぐらいあってしかるべきではないだろうか。
自分とて人のことがいえるほど几帳面な性格ではないけれど、一緒にいるならば動く前に一応相手に声をかけるぐらいのことはする。
声を出すのも面倒だというなら、別にWisでもいいのだ。
常々物事に対して非常にアバウト且つルーズすぎるとはおもっていたが、いい加減許容範囲を超えてきた。

「えー、でもさ。ここんトコちょっと白くなってるじゃないか。
すぐに亀裂になる感じじゃないけどさ、実際命あずけるもんだし?」

僕のイライラオーラは見事に無視して(実際気がついてないのだろう)、店主であるブラックスミスとの交渉は着々と進んでいるようで、話も弾んでいるようで。

「ん、そこんとこなんとかなんない? なるでしょ、ほら、武器なんて使われてナンボでしょ!」

……というか、その無駄な愛想の良さはなんなんだ。

「聞いたか? まけてくれるってよー」……とにこにこ嬉しそうに笑いながら振り返ってくれたこの能天気100%アサシンをどうしてくれよう。



「ちょっと時間くったけどさ、いい買い物できたなー」

褒めてといわんばかりに、琥珀色の瞳をいたずらっぽく煌かせて相手が僕の顔を覗き込んでくる。
その手の中には……あろうことか10Mばかりも値下げ『させた』淡い月の光を束ねた剣。

――月光剣。

攻撃命中時にSPを回復するその剣は、確かにできれば欲しい物のリストの上位にランクインする代物だった。
が、しかし――

「……ありえない……」
「なに~」

まったく邪気がない……ように見える笑顔で振り向いた相手は、僕の不機嫌そうな表情にようやく気がついたのか。
不思議そうに首をかしげた。

「嬉しくないのか?」

これでお前の負担が減るだろ……と何気なく続けられた相手の言葉に。
思わず、視線から逃れるようにぱっと顔を背けてしまう。
――まったく、コイツはーーーっ!
はぁ…と息をつく。
なんだってこんなにこのアサシンは、僕の中の緊張感というものを根こそぎそいでくれるのだろう。
そんなことを言われて、嬉しくないはずがないじゃないか。

「……お前さ、職業選択ミスって良く言われないか」
「なんで」
「一見で人が良さそうに見える太鼓判つきの暗殺者って、根本的に何か間違ってるだろ」

顔をそらせたまま言い切った僕の言葉に、桜色の髪のアサシンは一瞬考えるように間をおく。
つ……と視線をあげると、薄い琥珀色の瞳がぱちぱちと忙しげにまたたいている。

「んーと、人形のように綺麗でかわいい悪漢っていうのは、間違ってないわけ?」
「僕のこと? それは顔でだまされるほうが悪い」

ふふん、と笑いながらアサシンの顔を見返してやると。
今度は相手のほうがすっと視線をそらした。

「………どっちが(ぼそ)」
「あ? なんか言ったか」
「んー、何にもー」
「ところで、お前よく金をもってたな。値切ったにしても結構な額だったはずだけど」
「……あ、この間のレア清算代全部つぎこんじゃった」
「オマエっ!!!」

イミュン買うって言ってただろ!……と唸るように呟く僕の声に、悪いっ……と拝むように手を合わせてくる。
どこまでホンキか分からない声音に、僕は何度目かのため息を落とす――ふりをした。


肩を並べて、雑踏の中をくぐりぬける。
毎日が同じようで、すこしずつ違う時間。

これが、僕たちの日常。



End

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